2019年05月01日

NHKスペシャル「日本人と天皇」

 新天皇陛下、ご即位おめでとうございます。

 ここ近年、こうした当日にブログを書くことはないんですけど、昨日、NHKスペシャル「日本人と天皇」を見ておりまして、あまりに重いので、ここに書かせていただこうかと。
 以下天皇家に関する記述がありますが、敬称は最低限に控え、敬語もなるべく略しながら記述させていただきます。ややこしさを避けるために。

 夜の8時頃でしたか、何気なく見始めて、「え?こんな時にNHKスペシャルなの?」と思ったのですが、最初は大嘗祭がどんな儀式かという解説だったので、後学の助けにとふんふんと見ておったのですが、後半が……重い。
 後半は天皇の家系の話で、特に重くなったのが戦後すぐに三笠宮が皇室典範改正についての案を提出され、あまりの達筆に驚いたのだけど、その中に天皇は女性天皇を想定すべきということが書かれていた。
 三笠宮は昭和天皇の弟宮にあたり、ああ、なんと先進的な考え方をされ、かつ聡明な方かと思った。そして、その後、敬宮愛子内親王ご誕生に及び女性天皇を認めるかについてつい十数年前、このお世継ぎにかかわる皇室典範改正について有識者会議がもたれたが、そこで彼らが気が付いたことに、江戸時代初めから現代まで、側室以外から男子が誕生したのは、江戸時代に一人、そして昭和天皇と上皇(放送時天皇)陛下だけであると。
 従って側室制度を廃止した現代であっては、このまま男系男子を維持することは難しく、女性、女系天皇を考えなければいけない――、ところがこれが秋篠宮家に悠仁親王が誕生して議論が停止、棚上げされてしまったということであった。
 さらに番組は、晩年の三笠宮の言葉として、現代にあっては女性天皇が難しいと。なぜならマスコミに追い回されるからお婿に来てくれる人がいないであろうと。
 ここで番組は終了するんだが、そこで終わるなーっと叫びそうになりながら、ニュースの後は爆笑問題で、今のNHKスペシャルは一体なんだったんだろうと、モヤモヤしながら改元を迎えた。
 思うだけど、この三笠宮の危惧って、お婿さんだけだろうか。
 お嫁さんでも同じじゃないですか。
 雅子皇后がお嫁にきてそして病気になりながらもここまでこれたのも、たぶん外務省のキャリアの中で働いてきた強さと、その中に生きる男性たちに比べると特に際立つ天皇陛下の人柄ゆえではないかと思う。キャリア公務員の競争社会の中に生きていると余計に際立ったのではないかと思う。
 でもね、他の人だとどうなの、と思うじゃない。
 三笠宮はマスコミだけを挙げたけど、皇室という独特の文化の中で生きていかないといけないというのもあるだろう。しかし後者は努力すれば変えられるかもしれない。でもやはり三笠宮の指摘通り、前者はどうなの。
 この辺はマスコミ諸氏に問うべきところだけれども、三笠宮の発言に従うなら、マスコミのせいでお嫁さんもお婿さんも来ないように聞こえる。女帝ないし女東宮に全力で守りますからと言われても、お婿さんは全力で守られますとは言えないかもしれない。

 どうなの?
 天皇制なぞ滅びてもいいという向きもあろうが、126代も続いた、世界で一番古い、しかも家系図が奈良時代からほぼ完璧に残っている皇族を終わらせるって相当勇気と覚悟が要らない?その皇統を維持するという前提で行くと、ただ女帝、女系を認めるだけでは足りないような気がするんだけど。この番組の中で同じく旧皇族に、皇族復帰してもいいかというアンケートをかつて取った時、みな一様に「お答えは控えさせていただきたい」とのこと。ただあのテレビに出ている竹田さんを見る限りでは、天皇家への愛と誇りが強い方もいらっしゃるのではないかと思うのであるけれども。
 問題はどこまでの復帰かということにつきるような気もするけれども、このままでは最悪の事態が重なったら本当に絶えてしまうということもありえる。
 これはたいへんデリケートな問題で、人をもののようにも扱いかねない。つまり人道的な問題にも抵触しかねない。そうなるなら、皇族の意志なくして物事をきめてしまってよいものか、いや、絶対にそれはいけないだろう。

 悠仁親王一人、男系男子が生まれたからそれで大丈夫なのか。
 敬宮愛子内親王が女性宮家を創設すれば、それで構わないのか。
 旧宮家が復活すれば、その時また「税金ガー」という人たちが出てこないのか。
 無礼を百も承知でかけば、その皇統自体が人間国宝、生きる世界遺産ともいえるかもしれない。
 本当に難しい問題。藤原家も源家も足利家も徳川家も決して滅ぼさなかったこの皇統を、民主化されたこの時代の我々がどう判断するのか。

 ナレーションは石澤典夫だった。
 重かった。
 ただ書いていて思ったことは、やはり、天皇家に対するマスコミの在り方をマスコミ自身が考え、またこの先のことについては、国民の代表・有識者のみならず、人道的見地から、当事者(代表だけでなく)も加わるべきではないだろうかということだった。

 平成31年4月30日夜8時に放送されたNHKスペシャル、本当は視聴者に何を投げかけたかったのだろう。
 とりあえずこれゆえに、改元で全然浮かれてないわ、私。 
posted by さきはなきよら at 19:33| Comment(0) | 日記